【原神】音声設定のダイナミックレンジとは?スペクトログラム分析から見た特徴について

-原神

今回は原神のVer2.5で実装された、音声設定のダイナミックレンジについてのお話です。

[ダイナミックレンジ]の項目では、[フル]と[リミテッド]が選択できるようです。

ショウT
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設定を切り替えると、ゲーム音が具体的にどう変化するのか気になりますよね

そこで今回は、録音した音声データを【SoundEngine】で読み込み、[フル]と[リミテッド]の違いをスペクトログラムで比較してみました。

【原神】音声設定のダイナミックレンジとは?スペクトログラム分析から見た特徴について

Ver2.5で追加された音声設定について

原神とは?

この記事をご覧いただいている方は、「もう知ってるよ!」という旅人さんも多いかとは思いますが、まずはゲームについて簡単にご紹介します。

原神は[PCスマートフォン(iOS/Android)PS4PS5]のプラットフォームで遊ぶことができる、オープンワールド式のRPGゲームです。

2020年9月28日のサービス開始以降、「アニメスタイルな世界観」や「クオリティの高いグラフィック」・「元素反応などのユニークなゲーム性」が評価され、今では世界中にファンを抱える大人気ゲームになっています。

プラットフォーム間でのデータ連携ができるため、「自宅ではPCやPS5で遊びつつ、外出先ではスマートフォンで遊ぶ」といった、プレイスタイルの幅広さも特徴の一つです。

どのプラットフォームで始めても、あとから別のプラットフォームへの移行や連携は可能ですので、興味のある方は是非この機会に始めてみてはいかがでしょうか!

ちなみに私は普段、PC版とスマホ版で遊んでいます👍

そのため、今回[ダイナミックレンジ]の確認を行ったのはPC版の環境です。動作環境や使用しているオーディオデバイスによって結果が異なる可能性もございます。予めご了承ください。

ダイナミックレンジ

オーディオにおけるダイナミックレンジとは、参考サイトによると「音量(ボリューム)の大小の幅を表す言葉」だそうです。音の強弱の比率がどれだけあるか、どこまでの音域を扱えるのかを表し、ダイナミックレンジが「広い」または「狭い」という言い方をします。

この幅が広いほどダイナミックな表現になり、同時に抑揚表現の階調も細やかになるので、音にリアリティーが生まれるそうです。

今回追加された[ダイナミックレンジ]の項目では、[フル]と[リミテッド]が選択できます。

言葉の意味合い的には、[フル]がより幅広く、[リミテッド]が制限された狭い幅な設定だと思われます。

しかし、後ほど[ミュージック音量の変化]の項目でも触れますが、ゲーム内で実際に音を聴き比べるてみると、[リミテッド]の方が[フル]よりダイナミックな音のように感じます。

同じように感じている方は結構多いのではないでしょうか?

ひとまず、この項目は「ゲーム音の表現の幅を変更するもの」くらいの認識で良いかと思います。

出力設定

出力設定では、[ステレオ]と[サラウンド]が選択できます。

[ステレオ]はスピーカーやイヤホンなど、左右2つに別れた音響機材から音を出す環境向けの設定です。

対する[サラウンド]は、聞き手の周りに複数のスピーカーを配置し、全方位から音が聞こえるように調整された環境向けの設定です。[サラウンド]を選択すると、前後左右の空間を意識した環境音になるため、より臨場感が味わえます。

ただし[バーチャルサラウンド]であれば、スピーカーやイヤホンなどのステレオ向き機材でも、サラウンド機能を擬似的に体験することができます。

ちなみに原神では、イヤホンで[サラウンド]設定を選んでも、後ろからの音がしっかり表現されているので、実際は[バーチャルサラウンド]になっているようです。

[フル]と[リミテッド]の違いとは

検証方法

ダイナミックレンジの項目では[フル]と[リミテッド]の2つが用意されていますが、これらを切り替えると具体的にどう音が変化するのか、気になったので以下の検証を行いました。

音声設定

出力を[ステレオ]にした状態で、ダイナミックレンジの[フル]と[リミテッド]それぞれで[ミュージック]・[ボイス]・[効果音]の3つを録音します。※音量は[5]で固定し、録音しない他の項目は[0]の状態です。

その後、出力を[サラウンド]にした状態で、[ステレオ]と同じように3項目の録音を行います。

録音した音源

ミュージック → 秘境【追憶:永遠の守護者】のBGMを録音

ボイス → 甘雨のキャラクターボイスを再生して録音

効果音 → 甘雨の通常攻撃フルセットx2のSEを録音

録音した音声データを【SoundEngine】で読み込み、[フル]と[リミテッド]での違いをスペクトログラムで比較しました。

ミュージック音量の変化

まずはミュージックの比較です。

上記の動画は秘境【追憶:永遠の守護者】のBGMを[フル]と[リミテッド]それぞれで録音し、【SoundEngine】で再生したものです。

聴き比べを行いたい方は是非、再生してみてください。

[0:02→フル] [2:33→リミテッド] [4:57→スペクトログラム比較SS]

出力[ステレオ]の[フル・リミテッド]比較 (BGM)

画像の上半分が[フル]・下半分が[リミテッド]の録音データです。左側には音声波形が表示されており、右側がスペクトログラムの情報です。比較しやすいよう、それぞれ同じ再生位置で止めています。

スペクトログラムとは

・再生中の音の周波数特性を連続表示したもの。

・縦軸が周波数(Hz)で横軸が時間を表している。

・周波数ごとにレベルが色で表示される。

→ 順番は高い方から[ 赤 > 黄 > 緑 > 青 > 黒]の順

まず音声波形を確認すると、全体的に[リミテッド]の方が波形の縦幅が大きいことが分かります。縦幅が大きいほど、音量が大きいことを表します。つまり[リミテッド]を選択すると、[フル]と比較してBGMのボリュームが大きくなるようです。

次にスペクトログラムを確認すると、[リミテッド]では赤い部分が増え、青い部分は減っていることが分かります。この赤みが増した周波数帯は音が強調されていることを表します。具体的には、125Hz帯・500Hz帯・1000Hz帯が強調されていますよね。つまり[リミテッド]を選択すると、[フル]と比較してBGMの低音~中音域が強調される傾向があるようです。

前述した[ダイナミックレンジ]の項目で、「ゲーム内で音を聴き比べると[リミテッド]の方が[フル]よりダイナミックな音のように感じます。」と記載しましたが、実際に音声波形やスペクトログラムを確認してみても、[リミテッド]の方がダイナミックな表現になっているようです。

[リミテッド]の出力[ステレオ・サラウンド]比較

ちなみに、ダイナミックレンジを[リミテッド]で固定し、出力を[ステレオ・サラウンド]の2つで比較すると、音声波形・スペクトログラム共に大きな違いはありませんでした。[サラウンド]の項目は、敵の声や環境音などの[効果音]が、どの方向で鳴っているのか表現する設定です。今回はダイナミックレンジの確認ですので、比較は[ステレオ]で行います。

ボイス音量の変化

出力[ステレオ]の[フル・リミテッド]比較 (ボイス)

次にボイスの比較です。

ボイスは甘雨のキャラクターボイスを再生し、それを録音しました。再生タイミングにずれがあり、上下で間隔が異なっています。そのため、一番長い最後のセリフで合わせています。

画像から[フル]と[リミテッド]を比較すると、音声波形・スペクトログラム共に違いはありませんでした。つまりボイスの項目は、ダイナミックレンジの影響を受けないようです。

効果音音量の変化

出力[ステレオ]の[フル・リミテッド]比較 (効果音)

最後に効果音の比較です。

効果音は、甘雨の通常攻撃フルセットx2のSEを録音しています。

画像から[フル]と[リミテッド]を比較すると、 [リミテッド]の方が音声波形の横幅が若干長く、縦幅も広いです。さらにスペクトログラムを確認すると全体的に緑の部分が増え、特に2kHz帯の部分で緑が増えています。このことから、 [リミテッド]の設定では効果音が僅かに強調されている事がわかります。

ダイナミックレンジのまとめ

ダイナミックレンジを[リミテッド]にすると、[フル]と比較して以下の変化がありました。

  • BGMのボリュームが大きくなり、低音~中音域が強調される。
  • ボイスは特に変化しない
  • 武器アクション時の効果音が僅かに強調される。

なお、動作環境やデバイス側のオーディオ設定によって結果が異なる可能性もございます。そのため、「この人の環境ではこんな結果だった」程度にご留意ください。

最後に

今回は原神のVer2.5で実装された、音声設定のダイナミックレンジについてのお話でした。

設定を切り替えると音が変わっているのは何となく分かるのですが、具体的にどのように変化したのか可視化を行いたく、検証してみました。

どちらの設定が優れているという訳ではないので、実際に聴き比べて好みな方を選択するのがベストですね!

それでは!

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